猫アレルギーに慣れるって本当?

2021-09-28

猫アレルギー

医学的根拠は見つかっていない

猫アレルギーのアレルゲンにさらされ続けることによって、症状が改善するという医学的な発見はされていません。

しかし、猫アレルギーに慣れることで症状が軽くなったという体験談は確かに存在しています。猫を飼う前に猫アレルギーだった人が、猫を飼い始めてしばらくしたらアレルギー症状が収まってきたという話や、ずっと猫アレルギーだったのに気が付いたら症状が現れなくなっていたという話を聞くことがあります。

アレルギーは体の免疫反応によって起きるものであり、言わば人が生きるために必要な生理現象の一部です。それに慣れることは出来るのでしょうか。

アレルギーに慣れることは出来るのか?

調べてみると、アレルギーの中でも食物アレルギーでは、経口免疫療法という、言わば慣れによる治療が行われていることが分かりました。

はじめは、強い反応が起きにくいよう極少量のアレルゲンを食べます。強い反応が起きなければ、毎日食べ続けて行き、ある程度の期間で量を増やしていきます。目標の量まで増やすことができて問題が起きなければ、最後の段階に入ります。最終段階では、敢えてしばらくの間アレルゲンを摂らないようにした後、病院で目標量のアレルゲンを摂取します。そこで強いアレルギー反応が起きなければ治療は完了となります。反応が起きた場合は摂取を続ける段階に戻ります。

なぜアレルギーに慣れることが出来るのか?

アレルギーに慣れることが出来る理由は、体内にある抗体の働きを鈍くする、または除去することでアレルギー反応を起きないようにしているということです。抗体は、アレルゲンを見つけると反応して消費されます。抗体が消費されるとしばらく抗体の反応が起きなくなり、それを繰り返すことで抗体を除去していくというイメージです。

注意点として、軽減するつもりが、逆にアレルギー反応が強くなってしまう可能性や、アナフィラキシーショックなどの急激な反応が起きる可能性もあるので、独断で行うのは避けた方が良いと思います。

まとめ

食物アレルギーでは、すでに慣れることによるアレルギーの治療が行われています。食物アレルギーと猫アレルギーは、分類的にも似ていることがわかっているため、個人的には慣れることで改善されたという話も真実なのではないかと思っています。しかし、強いアレルギー反応を示す方や、すでに猫アレルギーの対策をたくさんしている方は、慣れるために我慢するということはせずに、今まで通りの対策や危機感も忘れないようにして下さい。

ちなみに、猫から分泌するアレルゲンは、食べるエサの品質によっても変わってくることが分かってきています。一つの対策として。